【解決】 Azure DevOps: TF400813 The item could not be found の解決方法と原因 | Azure DevOps/Git トラブルシューティング

Azure DevOps をご利用中に「TF400813: The item could not be found」というエラーに遭遇し、お困りではありませんか?ご安心ください、このエラーは多くの場合、単純な設定ミスで解決できます。この記事では、Windowsユーザー向けに、このエラーの概要から、今すぐ試せる最速の解決策、そして再発防止策までを、分かりやすく丁寧に解説します。

1. Azure DevOps: TF400813 The item could not be found とは?(概要と緊急度)

「TF400813: The item could not be found」エラーは、Azure DevOps が指定されたファイル、フォルダ、またはその他のアイテムを見つけられない場合に発生します。これは通常、Gitリポジトリ内で参照しようとしているファイルやディレクトリのパスが間違っていることによって引き起こされます。

具体的には、ビルドパイプライン、リリースパイプライン、テスト計画、あるいは単にファイルブラウザでのアクセスなど、様々な場面で発生する可能性があります。このエラーが発生すると、パイプラインの実行が停止したり、必要なファイルにアクセスできなかったりするため、現在の作業がブロックされる可能性が高いです。しかし、原因が特定できれば比較的簡単に解決できることが多いため、緊急度は中程度と考えて良いでしょう。

最も一般的な原因は、ファイルパスの指定ミス、特に大文字・小文字の不一致です。Windowsのファイルシステムは大文字・小文字を区別しないことが多いですが、GitやAzure DevOpsはLinuxベースのシステムで動作するため、大文字・小文字を厳密に区別します。

2. 【最速】今すぐ試すべき解決策

「TF400813: The item could not be found」エラーに遭遇したら、まずは以下の最も簡単な解決策を試してください。ほとんどの場合、リポジトリ内のファイルパスの指定が間違っていることが原因です。特に、大文字・小文字を含め、完全に一致しているかを確認することが重要です。

解決策1:[最も簡単な方法] Gitコマンドでファイルパスを正確に確認する

Azure DevOpsで参照しようとしているファイルやフォルダのパスが、ローカルリポジトリで実際に存在し、かつ完全に一致しているかを確認します。以下の手順で、PowerShellまたはコマンドプロンプトを使って確認できます。

具体的なWindowsコマンドまたは手順

  1. ローカルリポジトリのルートディレクトリに移動します。
    エクスプローラーで目的のリポジトリフォルダを開き、アドレスバーに「cmd」または「powershell」と入力してEnterキーを押すと、そのディレクトリでコマンドプロンプトまたはPowerShellが開きます。
  2. Gitコマンドでファイルパスをリストアップし、正しいパスを確認します。
    以下のコマンドを実行して、Gitが管理しているファイルの一覧と正確なパスを確認できます。

# PowerShellまたはCmdで実行

# Gitが管理する全てのファイルをリストアップする
# このリストの中から、参照したいファイルパスを見つけ、大文字・小文字も含めて正確に確認します。
git ls-files

特定のフォルダ内のファイルを確認したい場合は、以下のコマンドも役立ちます。


# 特定のフォルダ内のファイルを確認する例(PowerShell)
# "YourFolderPath"と"YourFileName.ext"を実際の値に置き換えてください
Get-ChildItem -Path ".\YourFolderPath" -Recurse -File | Where-Object { $_.Name -eq "YourFileName.ext" } | Select-Object FullName

例えば、「scripts/build.ps1」というパスでエラーが出ている場合、「scripts」フォルダの中に「build.ps1」が本当に存在し、かつスペルや大文字・小文字が完全に一致しているかを確認してください。

  1. Azure DevOpsで指定しているパスを修正します。
    ローカルリポジトリで確認した正しいファイルパスと、Azure DevOps(パイプライン設定、タスクの引数など)で指定しているパスを照合し、誤りがあれば修正してください。

この手順でパスを修正すれば、ほとんどのTF400813エラーは解決するはずです。

3. Azure DevOps: TF400813 The item could not be found が発生する主要な原因(複数)

解決策1で問題が解決しない場合や、将来のトラブルシューティングのために、TF400813エラーが発生するその他の主要な原因を理解しておきましょう。

  • ファイルパスの誤り(大文字・小文字、スペルミス、スラッシュの向き): 最も一般的です。Windowsはパスの区切りにバックスラッシュ(\)を使うことが多いですが、GitやAzure DevOpsではフォワードスラッシュ(/)が推奨されます。また、前述の通り大文字・小文字の区別も重要です。
  • ファイルやフォルダの削除: 既にGitリポジトリから削除されたファイルやフォルダを、Azure DevOpsのパイプラインなどが参照しようとしている。
  • ブランチの選択ミス: パイプラインが参照しているブランチ(例: main)に、目的のファイルが存在せず、別のブランチ(例: feature/new-func)にしか存在しない。
  • リポジトリの同期不足: ローカルリポジトリやAzure DevOpsのビルドエージェントが、最新のコミットを取得できていない場合。特にビルドエージェントのクリーンアップが不十分だと古い情報を見に行くことがあります。
  • ワイルドカード指定の誤り: *.dll のようにワイルドカードを使っている場合、対象となるファイルが見つからない、または予期せぬパスを見ている。
  • リポジトリ名・プロジェクト名の変更: リポジトリやプロジェクト名を変更した後、古い名前を参照したままになっているケース。
  • パーミッションの問題: 非常に稀ですが、ビルドエージェントやパイプラインがファイルシステムへのアクセス権を持たない場合。

4. Azure DevOps/Gitで恒久的に再発を防ぐには

TF400813エラーの再発を防ぐために、以下の実践的な対策を検討しましょう。

  • ファイルパスの厳格な管理と命名規則の統一:
    • プロジェクト全体でファイルやフォルダの命名規則を統一し、可能な限り小文字のみを使用するなど、大文字・小文字に関する混乱を避けます。
    • CI/CDパイプラインでのパス指定は、ハードコードせず、変数やテンプレートを活用して一元管理します。
  • コードレビューの徹底:
    • プルリクエスト(PR)でファイルパスの変更が含まれる場合(ファイル名の変更、移動、削除など)、特に注意深くレビューします。
    • 変更されたパスがビルドパイプラインやリリースパイプラインに影響を与えないか確認します。
  • ブランチ戦略の明確化と遵守:
    • どのブランチにどのファイルが存在するか、どのブランチをCI/CDのトリガーとするかを明確にします。
    • 不必要なブランチの作成や、意図しないファイル変更を避けるようにチーム内で合意形成します。
  • CI/CDパイプラインのテストとバリデーション:
    • パイプラインが参照するパスが正しいか、定期的にテストビルドを実行して確認します。
    • Get sources タスクでCleanオプションを適切に設定し、過去のビルドキャッシュが問題を引き起こさないようにします。
    • ビルドエージェントの作業ディレクトリを定期的にクリーンアップする設定を検討します。
  • ドキュメントの整備:
    • プロジェクトの重要なパスや設定値については、開発チーム内で共有できるドキュメントを作成し、常に最新の状態に保ちます。

これらの対策を講じることで、「TF400813: The item could not be found」エラーの発生を大幅に減らし、Azure DevOpsでの開発プロセスをよりスムーズにすることができます。