皆さん、こんにちは! またやってきましたか、「GitLab CI: The job failed because the runner failed to connect」という見慣れたエラーメッセージ。
CI/CDパイプラインを回そうとしたら、ジョブが全く始まらずにこのエラーでこけて…「あー、またこれか…」と頭を抱えていませんか? ネットワークは生きているはずなのに、なぜかRunnerがGitLabサーバーと繋がらない、という状況でハマる方が本当に多いんですよね。
結論から言うと、このエラーの主な原因は、文字通りRunnerとGitLabサーバー間のネットワーク接続問題です。具体的には、ファイアウォール、プロキシ設定、DNS解決の失敗、または単なる一時的なネットワークの不安定さが挙げられます。この記事では、これらの問題を一つずつ確認し、解決へと導くための具体的な手順を、ベテランエンジニアの視点から分かりやすく解説していきます。さあ、一緒にこの厄介なエラーを解決していきましょう!
目次
1. エラーコード GitLab CI: The job failed because the runner failed to connect とは?(概要と緊急度)
このエラーメッセージは、その名の通り、GitLab RunnerがGitLabサーバーとの接続を試みたものの、何らかの理由で接続を確立できなかったことを意味します。つまり、CI/CDジョブが実際に実行される以前の、インフラレベルでの通信障害を示しているわけです。
これは非常に厄介なエラーで、CI/CDパイプラインが完全に機能不全に陥るため、その緊急度は非常に高いと言えます。開発サイクルが停止し、デプロイも滞る可能性がありますから、真っ先に解決すべき問題です。多くの場合、ネットワーク構成の変更や、意図しないファイアウォールルールの追加などが原因で発生します。
2. 最速の解決策 3選
このエラーに遭遇したら、まずは以下の3つのポイントを順に確認してみてください。ほとんどの場合、この中のどれかで解決するはずです。
2-1. ネットワーク疎通確認(ping, telnet/nc)
Runnerが動作しているサーバーから、GitLabサーバーへの基本的なネットワーク疎通性を確認します。
- Pingで到達性を確認:
ping your-gitlab-domain.comこれで応答がない場合、GitLabサーバーが存在しないか、IPレベルで到達できない可能性があります。DNS設定、ルーティング、あるいはGitLabサーバー自体のダウンを確認しましょう。
- Telnet/Netcat (nc) でポート接続を確認:Pingが通っても、特定のポートへの接続がブロックされていることがあります。GitLabがHTTPS (443) またはHTTP (80) で稼働していることを想定し、それぞれのポートに接続を試みます。
telnet your-gitlab-domain.com 443または
nc -zv your-gitlab-domain.com 443重要! 接続先のGitLabサーバーのドメイン名やIPアドレス、そして公開されているポート番号を間違えないようにしてくださいね。もし接続に失敗する場合、Connection refusedやConnection timed outのようなメッセージが表示されるはずです。これは、そのポートが閉じているか、途中のファイアウォールでブロックされている可能性が高いです。
2-2. ファイアウォール・セキュリティグループ設定の確認
ネットワーク疎通確認で失敗した場合、真っ先に疑うべきはファイアウォールです。
- Runner側のファイアウォール:RunnerがGitLabサーバーのHTTPS/HTTPポート(通常443/80)へのアウトバウンド接続を許可しているか確認します。Linux環境なら
iptablesやfirewalld、WindowsならWindows Defender Firewallの設定を見直しましょう。 - GitLabサーバー側のファイアウォール:GitLabサーバーがRunnerからの接続(通常はGitLab APIへのインバウンド接続)を許可しているか確認します。特にクラウド環境(AWSのセキュリティグループ、Azureのネットワークセキュリティグループ、GCPのファイアウォールルールなど)を利用している場合、これらの設定が不適切だと、接続はブロックされてしまいます。
- 中間にあるネットワーク機器のファイアウォール:もし両者が異なるネットワークセグメントにある場合、ルーターやスイッチ、専用ファイアウォールなどのセキュリティ設定も影響することがあります。
2-3. プロキシ設定とDNS解決の確認
企業ネットワークなどでよくあるのが、プロキシサーバーを経由しないと外部にアクセスできないケースです。また、ホスト名解決が適切に行われていない場合も接続できません。
- Runnerのプロキシ設定:Runnerがプロキシ経由で外部(GitLabサーバー)にアクセスする必要がある場合、適切な環境変数が設定されているか確認してください。
HTTP_PROXY/http_proxyHTTPS_PROXY/https_proxyNO_PROXY/no_proxy(GitLabサーバーが内部ネットワークにある場合、NO_PROXYにGitLabのドメインを含める必要があります)
これらの環境変数は、Runnerのサービス設定(例:
/etc/systemd/system/gitlab-runner.service.d/proxy.conf)や、Docker環境であればコンテナの起動オプションで設定されることが多いです。 - DNS解決の確認:RunnerがGitLabサーバーのホスト名をIPアドレスに正しく変換できているか確認します。
nslookup your-gitlab-domain.comdig your-gitlab-domain.comこれらのコマンドでIPアドレスが取得できない、または誤ったIPアドレスが返される場合、
/etc/resolv.confなどのDNS設定を見直す必要があります。注意! プロキシ設定は、特にハマりやすいポイントです。設定が間違っていたり、そもそもプロキシサーバーがダウンしていたりすると、どんなにファイアウォールを開けても繋がりません。ここ、見落としがちなのでしっかり確認してください!
3. エラーの根本原因と再発防止策
一時的に解決できたとしても、根本原因を理解し再発防止策を講じなければ、また同じ問題に悩まされることになります。
3-1. エラーのよくある根本原因
- ネットワーク構成変更:VPCの変更、サブネットの変更、新しいネットワーク機器の導入など、インフラ側の変更が意図せず通信経路を遮断してしまったケース。
- セキュリティポリシーの強化:セキュリティ部門がファイアウォールルールを見直し、厳格化した結果、必要な通信がブロックされてしまったケース。事前の連携不足が原因となることが多いです。
- GitLabサーバー側の変更:GitLabサーバーのIPアドレス変更、ポート変更、SSL証明書の更新(特に自己署名証明書の場合)などがRunnerの設定と同期されていないケース。
- 一時的なネットワーク機器の障害:ルーターやスイッチの一時的な不調、ISP側の問題など、稀に一時的な障害で接続が切れることもあります。これは再起動や時間経過で直ることが多いですが、頻発するなら機器の点検が必要です。
3-2. 再発防止策
- 変更管理プロセスの確立:ネットワーク設定やセキュリティポリシーに変更を加える際は、必ず影響範囲を評価し、関係者(特にCI/CDを運用しているチーム)に周知徹底するルールを確立しましょう。
- ヘルスチェックと監視:RunnerからGitLabサーバーへの接続性を定期的にチェックするスクリプトを組み込んだり、ネットワーク監視ツールを導入して、接続障害を早期に検知できるようにしましょう。
- ドキュメントの整備:Runnerのインストール・設定手順、ネットワーク要件、プロキシ設定など、必要な情報を最新の状態でドキュメント化しておくことが重要です。新しいメンバーが参加した際にも役立ちます。
- 最小権限の原則とテスト:ファイアウォールルールは必要最小限に絞りつつ、変更後は必ずテストパイプラインを実行して、接続が正常に行われることを確認する習慣をつけましょう。
4. まとめ
GitLab CI/Runnerの「GitLab CI: The job failed because the runner failed to connect」エラーは、一見すると難しそうに見えますが、そのほとんどはネットワーク関連の問題に起因しています。
大切なのは、焦らず、一つずつ丁寧に確認していくことです。まずはPingやTelnet/Netcatで基本的な疎通を確認し、次にファイアウォール、そしてプロキシやDNSの設定へと、上流から下流へと順に見ていくのがトラブルシューティングの鉄則です。
これで皆さんのCI/CDパイプラインも無事に復旧し、快適な開発ライフを取り戻せるはずです!もしこの記事が皆さんの助けになったなら、これほど嬉しいことはありません。これからも頑張っていきましょう!
“`