【解決】OSPFルータで発生!「OSPF: Neighbor down: Dead timer expired」エラーの深層と最速対処法

OSPFを設定して、さあ動作確認!と思ったら、突然「OSPF: Neighbor down: Dead timer expired」のエラーメッセージがログにドバドバ…なんて経験、ありますよね? 私も何度このエラーでハマったことか。ネットワークエンジニアなら誰もが一度は遭遇する、そんな厄介なネイバーダウンエラーですよね!

このエラーが出ると、OSPFネイバーが確立できず、ルーティング情報が交換されません。つまり、ネットワークが分断された状態になってしまい、通信に甚大な影響が出てしまいます。結論から言うと、このエラーの主な原因は、OSPFネイバーからのHelloパケット受信が途絶えたことです。最も一般的な解決策は、OSPFインターフェース設定の徹底的な見直し、特にHello/Deadタイマー、ネットワークタイプ、認証設定の整合性確認となります。この記事では、このエラーの深層から最速の解決策まで、ベテランの視点からステップバイステップで解説していきますよ!

1. エラーコード OSPF: Neighbor down: Dead timer expired とは?(概要と緊急度)

まずは、このエラーが何を意味するのかをしっかりと理解しておきましょう。

OSPF(Open Shortest Path First)は、ルータ間でルーティング情報を交換するために、ネイバー(隣接ルータ)との関係性を維持しています。この関係性を保つために、OSPFは定期的に「Helloパケット」という信号をネイバーに送り合っています。

  • Helloパケット: 「私はここにいますよ!」という生存確認の信号。
  • Deadタイマー: OSPFルータは、ネイバーからHelloパケットを受信すると、そのネイバーごとにDeadタイマーをリセットします。「この時間内にHelloパケットが来なかったら、ネイバーは死んだ(ダウンした)と判断するぞ」というタイマーですね。

OSPF: Neighbor down: Dead timer expired」というエラーは、まさにこのDeadタイマーがゼロになり、ネイバーからのHelloパケットが途絶えたとルータが判断したときに発生します。つまり、OSPFネイバーシップが失われ、そのネイバーとルーティング情報が交換できなくなったことを意味するんです。

【緊急度:高】
このエラーが発生すると、対象のOSPFネイバーとのルーティング情報交換が停止します。結果として、ネットワークの一部または全体への通信経路が失われる可能性があり、業務影響が甚大になることが多いです。発見次第、迅速な対処が求められます。

2. 最速の解決策 3選

さあ、ここからが本番です! このエラーに直面したら、真っ先に確認すべきポイントと具体的な対処法を3つご紹介します。落ち着いて一つずつ確認していきましょう。

解決策1: 物理層・データリンク層の健全性を確認する

「エラーコードはOSPFなのに?」と思うかもしれませんが、ネットワークのトラブルは物理層から疑うのが鉄則です! OSPFのHelloパケットが届かないのは、そもそも物理的に通信ができていない、というケースが意外と多いんですよ。

  • ケーブル接続: LANケーブルがしっかり刺さっているか、断線していないかを目視で確認しましょう。
  • インターフェースの状態: ルータの該当インターフェースが「Up/Up」状態になっているか確認します。Ciscoルータでの確認コマンド例:
    show ip interface brief

    Admin状態がup、Line Protocolがupになっていることを確認します。

  • リンクアップの確認: ポートのLEDが正常に点灯・点滅しているか、対向機器のポートも確認しましょう。
ここがポイント!
いくらOSPFの設定が正しくても、物理的にパケットが届かなければ何も始まりません。まずは「本当にパケットが送受信できる状態なのか?」を疑ってください。

解決策2: OSPFインターフェース設定の整合性を徹底的に確認する

物理層に問題がなければ、いよいよOSPFの設定そのものを掘り下げて確認します。ネイバー間でHelloパケットが正常に交換されない原因の多くは、このインターフェース設定の不一致です。対向ルータとの設定が完全に一致しているかを、細部まで確認してください。

  • IPアドレスとサブネットマスク: OSPFネイバーとなるインターフェースのIPアドレスが同一セグメントに属しているか、サブネットマスクが合致しているか確認します。
  • OSPFエリアID: OSPFエリアが異なるとネイバーは確立しません。対向ルータと同じエリアIDに設定されているか確認しましょう。
  • Hello/Deadタイマー: これがDead timer expiredの直接的な原因となりやすいです! OSPFのHelloパケット送信間隔(Helloタイマー)と、ネイバーがダウンしたと判断するまでの時間(Deadタイマー)は、ネイバー間で完全に一致している必要があります。
    • デフォルト値はネットワークタイプによって異なります。(例: ブロードキャストはHello 10秒 / Dead 40秒、NBMAはHello 30秒 / Dead 120秒)
    • もし片方だけタイマーが変更されていたら、もう片方も同じ値に変更してください。

    Ciscoルータでの確認コマンド例:

    show ip ospf interface [interface-type interface-number]

    このコマンドでHello/Deadタイマー、ネットワークタイプ、エリアIDなどを確認できます。

  • ネットワークタイプ: Point-to-Point、Broadcast、Non-Broadcast Multi-Access (NBMA) などのネットワークタイプが、両方のルータで一致しているか確認します。特にフレームリレーなどのNBMA環境では、ip ospf network broadcastなどの設定が必要になる場合があります。
  • OSPF認証: OSPFパケットに認証が設定されている場合、パスワードや認証タイプ(MD5やプレーンテキスト)がネイバー間で一致している必要があります。一致していないと、Helloパケットが破棄されてしまいます。
ベテランからのアドバイス!
「タイマーが違う!」というケースは非常に多いです。設定変更時に片方だけ変更してしまい、もう片方を忘れている、なんてことがよくあります。show ip ospf interfaceコマンドで、両ルータの出力結果を並べて比較してみてください。きっと原因が見つかるはずです!

解決策3: ファイアウォールやACLによるHelloパケットのブロックを確認する

OSPFのHelloパケットはIPプロトコル番号89を使用します。ルータやスイッチのACL(Access Control List)や、途中に挟まっているファイアウォールで、このOSPFパケットがブロックされていないかを確認することも重要です。

  • ルータのACL: 該当インターフェースに適用されているACLを確認し、OSPFのトラフィックが許可されているか確認します。
  • ファイアウォール: ルータ間にファイアウォールがある場合、OSPFプロトコル (IPプロトコル番号 89) やマルチキャストアドレス (224.0.0.5) を許可するルールが設定されているか確認します。
うっかりミスに注意!
セキュリティを考慮してACLやファイアウォールを設定したはいいものの、OSPFのHelloパケットまでブロックしてしまった、というケースも稀にあります。特に、OSPFはマルチキャストアドレスを使用するため、これをブロックしているとネイバーが確立できません。

3. エラーの根本原因と再発防止策

目の前の問題を解決することも大切ですが、なぜこのようなエラーが起きたのか、そしてどうすれば再発を防げるのかを考えるのが真のエンジニアの仕事ですよね。このエラーの根本原因は、大きく以下のいずれかに分類できます。

  • 人為的な設定ミス:
    • 最も多い原因です。新しいルータの導入時や、既存ルータの設定変更時に、IPアドレス、OSPFエリア、Hello/Deadタイマー、ネットワークタイプ、認証などの設定を誤った、または対向機器と不一致な設定にしてしまったケースです。
    • 特にタイマー値の不一致や、認証設定の漏れ・誤りは頻繁に発生します。
  • 物理的な問題/ハードウェア障害:
    • ケーブルの断線、インターフェースカードの故障、対向機器のポート障害など、物理的な要因でパケットが到達しない場合です。
    • 稀にルータやスイッチのソフトウェアバグによって、Helloパケットが正しく送信・受信されないこともあります。
  • ネットワーク内の障害(ACL/ファイアウォール):
    • 意図せずOSPFパケットがフィルタリングされてしまっているケースです。

再発防止策

同じトラブルを繰り返さないために、以下の対策を検討しましょう。

  • 設定変更時のダブルチェックと手順書:OSPF関連の設定を変更する際は、必ず変更内容を手順書にまとめ、適用前に複数の目でチェックする体制を整えましょう。特にネイバーに影響を与える設定(IPアドレス、タイマー、認証など)は、対向ルータの設定も同時に確認し、整合性を保つことが重要です。
  • 標準設定の適用:可能な限り、OSPFインターフェースのHello/Deadタイマーはデフォルト値を使用するか、変更する場合は社内標準を定め、それに従うようにしましょう。
  • 監視の強化:ネットワーク監視ツールを導入し、OSPFネイバーステータスの変化を常時監視できるようにしましょう。早期に異常を検知することで、影響が大きくなる前に対処が可能になります。

    例えば、SNMP TrapやSyslogで「Neighbor down: Dead timer expired」を検知したらアラートを上げるような仕組みは非常に有効です。

  • 定期的な設定レビュー:年に一度など、定期的にルータのOSPF設定を見直し、不要な設定がないか、整合性は取れているかを確認する時間を設けましょう。

4. まとめ

OSPFルータで発生する「OSPF: Neighbor down: Dead timer expired」エラーは、ネットワークエンジニアであれば誰しもが遭遇しうる、定番のトラブルの一つです。しかし、その根本原因のほとんどは、物理層の問題か、OSPFインターフェース設定の不一致にあります。

焦らず、まずは物理層から、そしてOSPFインターフェース設定(特にIPアドレス、エリアID、Hello/Deadタイマー、ネットワークタイプ、認証)を対向ルータと突き合わせながら、一つずつ丁寧に確認していくことで、必ず原因を特定し、解決に導くことができます。

最後に一言!
このエラーは、多くのエンジニアが通る道です。一度経験してしっかりと理解すれば、次に同じ状況に直面しても冷静に対処できるようになります。今日の経験が、あなたのスキルを一段と高めてくれるはずですよ! 困った時は、またこの記事を読み返してみてください。応援しています!

“`