Figmaで作業中に「Failed to load file (Error Code 11)」というエラーに遭遇し、大切な作業が中断されてお困りではないでしょうか?ご安心ください、このエラーは多くのFigmaユーザーが経験する一般的な問題であり、ほとんどの場合は簡単な手順で解決できます。
この記事では、Windowsユーザー向けに、このエラーの概要から、今すぐ試せる最速の解決策、そして将来的な再発を防ぐためのヒントまで、ステップバイステップで解説します。結論から申し上げますと、**Figmaのキャッシュをクリアすること**が、最も速く、かつ効果的な解決策となることが多いです。
目次
1. Figma: Failed to load file (Error Code 11) とは?(概要と緊急度)
「Figma: Failed to load file (Error Code 11)」は、Figmaが指定されたファイル(デザインファイルやプロトタイプ)を正常に読み込めなかった際に表示されるエラーコードです。このエラーが発生すると、対象のファイルを開くことができず、作業の継続が不可能になります。そのため、緊急度は非常に高いと言えます。
この問題の主な原因としては、以下が考えられます。
- ファイルのサイズが大きすぎる: 非常に複雑なファイルや、多数の高解像度画像を含むファイルは、読み込みに時間がかかり、タイムアウトやリソース不足でエラーとなることがあります。
- インターネット接続の不安定さ: Figmaはクラウドベースのツールであるため、安定したインターネット接続が必須です。接続が一時的に途切れたり、速度が遅かったりすると、ファイルのダウンロード中にエラーが発生する可能性があります。
- Figmaアプリのキャッシュの破損や蓄積: アプリ内に保存された一時ファイル(キャッシュ)が多すぎたり、破損していたりすると、新しいファイルの読み込みを妨げることがあります。
- Figmaサーバー側の問題: まれにFigmaのサーバー自体に一時的な問題が発生している可能性もあります(この場合はFigmaのステータスページを確認すると良いでしょう)。
2. 【最速】今すぐ試すべき解決策
まずは、最も効果的で簡単な解決策を試してみましょう。多くのケースで、以下の手順で問題が解決します。
解決策1:Figmaデスクトップアプリのキャッシュをクリアする
Figmaデスクトップアプリのキャッシュが破損しているか、過剰に蓄積されている場合、ファイルの読み込みを妨げることがあります。以下の手順でキャッシュをクリアし、Figmaを再起動してみてください。
- Figmaデスクトップアプリを完全に終了します。(タスクバーのFigmaアイコンを右クリックし「終了」を選択するか、タスクマネージャーで終了します。)
- 以下のPowerShellコマンドを実行して、Figmaのキャッシュディレクトリを削除します。
# Figmaのキャッシュディレクトリのパス
$figmaCachePath = "$env:APPDATA\Figma"
# キャッシュディレクトリが存在するか確認し、存在すれば削除
if (Test-Path $figmaCachePath) {
Remove-Item -Path $figmaCachePath -Recurse -Force
Write-Host "Figmaのキャッシュをクリアしました。Figmaを再起動してください。"
} else {
Write-Host "Figmaのキャッシュディレクトリが見つかりませんでした。すでにクリアされているか、パスが異なります。"
}
コマンドプロンプト(Cmd)を使用する場合:
REM Figmaのキャッシュディレクトリのパス
set FIGMA_CACHE_PATH=%APPDATA%\Figma
REM キャッシュディレクトリが存在するか確認し、存在すれば削除
if exist "%FIGMA_CACHE_PATH%" (
rmdir /s /q "%FIGMA_CACHE_PATH%"
echo Figmaのキャッシュをクリアしました。Figmaを再起動してください。
) else (
echo Figmaのキャッシュディレクトリが見つかりませんでした。すでにクリアされているか、パスが異なります。
)
- キャッシュクリア後、Figmaデスクトップアプリを再起動し、再度ファイルの読み込みを試してください。
補足: Figmaのキャッシュを削除しても、あなたのFigmaファイル自体が失われることはありませんのでご安心ください。これは、FigmaファイルがFigmaのクラウド上に保存されているためです。
解決策2:インターネット接続を確認する
インターネット接続が不安定な場合は、以下の点をチェックし、改善を試みてください。
- Wi-Fiルーターの再起動: ルーターの電源を一度抜き、数秒待ってから再度差し込んでみてください。
- 有線LAN接続への切り替え: 可能であれば、Wi-Fiではなく有線LANケーブルでインターネットに接続することで、安定性が向上することがあります。
- 他のウェブサイトでの確認: 他のウェブサイトやサービスが正常に動作するか確認し、インターネット接続全体の問題ではないか確認します。
- VPNを使用している場合: VPNを切断してみて、Figmaへのアクセスが可能になるか確認します。VPNが接続を妨げている可能性があります。
解決策3:Figmaアプリまたはブラウザを再起動する
ごく単純なことですが、アプリやブラウザの一時的な不具合である場合、再起動するだけで解決することがあります。Figmaデスクトップアプリを使用している場合はアプリを閉じ、再度開いてください。ブラウザ版Figmaを使用している場合は、ブラウザタブを閉じ、新しいタブでFigmaを開き直してください。
解決策4:異なるブラウザまたはFigmaデスクトップアプリで試す
特定のブラウザやアプリに問題がある可能性も考えられます。
- 普段Chromeを使っているならFirefoxやEdgeで試す。
- ブラウザ版でエラーが出るならFigmaデスクトップアプリを試す。
- デスクトップアプリでエラーが出るならブラウザ版を試す。
3. Figma: Failed to load file (Error Code 11) が発生する主要な原因(複数)
前述の概要でも触れましたが、このエラーが発生する主要な原因をもう少し詳しく見ていきましょう。
- 巨大なファイルサイズと複雑さ:
- 非常に多くのページ、フレーム、レイヤーを持つファイル。
- 高解像度の画像や動画アセットが多数含まれている。
- 複雑なコンポーネントやプラグインが多用されている。
- これらはFigmaがファイルを解析し、ダウンロードし、レンダリングするのに必要なリソースを大量に消費するため、エラーにつながりやすくなります。
- 不安定なインターネット接続:
- 帯域幅の不足、接続速度の低下、パケットロスなど。
- VPNやプロキシサーバーの設定がFigmaの通信を妨げている。
- 特にファイルのダウンロード中に接続が途切れると、エラーが発生します。
- ローカルキャッシュの破損または過負荷:
- Figmaデスクトップアプリが一時的に保存するキャッシュファイルが、何らかの理由で破損している。
- または、キャッシュが大きくなりすぎて、新しいファイルの読み込みを阻害している。
- PCのリソース不足:
- メモリ(RAM)やCPUが他のアプリケーションで占有され、Figmaがファイルの読み込みに必要なリソースを確保できない。
- 特に大きなファイルを扱う際に顕著になります。
- Figmaアプリのバージョンが古い:
- Figmaデスクトップアプリが最新バージョンではない場合、既知のバグにより問題が発生することがあります。
4. Figmaで恒久的に再発を防ぐには
一時的な解決策だけでなく、今後同様のエラーに遭遇しないための予防策も講じましょう。
- Figmaファイルを最適化する:
- ファイルの分割: 巨大なプロジェクトは、機能やステージ(例: デザインシステム、ワイヤーフレーム、UIデザイン)ごとに複数のFigmaファイルに分割することを検討してください。
- コンポーネント化の徹底: 再利用可能な要素はコンポーネントとしてまとめ、インスタンスを使用することで、ファイルサイズを削減し、パフォーマンスを向上させます。
- 不要なレイヤーやページの削除: 使わなくなったデザインやテスト用のレイヤーは定期的にクリーンアップしましょう。
- 画像の最適化: 高解像度の画像を多数使用する場合は、適切に圧縮したり、Figmaの最適化機能を活用したりすることを検討してください。
- 安定したインターネット環境を維持する:
- 可能な限り高速で安定したインターネット接続を確保し、Wi-Fiの電波状況が良い場所で作業する。
- 大規模なファイルをダウンロード・アップロードする際は、有線LAN接続を優先する。
- VPNを使用している場合は、Figmaの使用中に一時的にオフにするか、信頼性の高いVPNサービスを選択する。
- FigmaアプリとOSを最新の状態に保つ:
- Figmaデスクトップアプリは、常に最新バージョンに更新しておきましょう。設定から自動更新を有効にすることをおすすめします。
- Windows OSも最新のセキュリティパッチとアップデートを適用し、システムの安定性を保ちます。
- PCのリソース管理:
- Figmaを使用する際は、同時に実行する他の重いアプリケーションを最小限に抑え、十分なメモリとCPUリソースがFigmaに割り当てられるようにします。
- 可能であれば、より高性能なPCへのアップグレードも検討します。
- 定期的なキャッシュクリア:
- 上記で紹介したキャッシュクリアの手順を、月に一度など定期的に実行することで、キャッシュ関連の問題を未然に防ぐことができます。
これらの対策を講じることで、「Figma: Failed to load file (Error Code 11)」エラーの発生頻度を大幅に減らし、Figmaでの作業をよりスムーズに進めることができるでしょう。