【完全版】 0x800f0922 の解決方法と原因 | Windows Update トラブルシューティング

Windows Update中に「0x800f0922」エラーが表示されてお困りですね。ご安心ください。このエラーはWindows 10/11で比較的よくある問題の一つで、適切な手順を踏めばほとんどの場合、ご自身で解決できます。このエラーは主に、システム予約済みパーティションの空き容量不足や、Secure Bootの設定、またはVPN接続の問題が原因で発生します。ここでは、Windowsユーザー向けに、今すぐ試せる解決策を最速でご紹介します。

1. 0x800f0922 とは?(概要と緊急度)

エラーコード 0x800f0922 は、Windows Updateが正常に完了できなかったことを示す一般的なエラーです。特に、大規模な機能更新プログラム(バージョンアップ)を適用しようとした際に発生しやすい傾向があります。このエラーは通常、以下のいずれかの理由で発生します。

  • システム予約済みパーティション(EFIシステムパーティションなど)の空き容量が不足している
  • Secure Boot(セキュアブート)機能が有効になっているが、互換性の問題がある
  • VPN接続やプロキシサーバーがWindows Updateサーバーへのアクセスを妨げている
  • システムファイルが破損している
  • ネットワーク接続に問題がある

緊急度としては、OSのセキュリティ更新や機能改善が適用されない状態なので、中程度と言えます。放置するとセキュリティリスクが高まったり、新しい機能を利用できなかったりするため、早めの対処をおすすめします。

2. 【最速】今すぐ試すべき解決策

まずは、比較的簡単で効果的な解決策から順にお試しください。多くのユーザーがこれらの手順で問題を解決しています。

解決策1:VPN接続の一時的な無効化とWindows Updateトラブルシューティングツールの実行

VPNを使用している場合、一時的に無効にすることで問題が解決することがあります。また、Windowsには組み込みのトラブルシューティングツールがありますので、まずはこちらを実行してみましょう。

VPNの無効化手順(GUI操作):

  1. 「設定」アプリを開きます (Windowsキー + I)。
  2. 「ネットワークとインターネット」 > 「VPN」に進みます。
  3. 設定されているVPN接続があれば、それを選択し「削除」または「切断」します。(一時的な無効化であれば「切断」で十分です。)
  4. VPN接続を無効にした後、再度Windows Updateを実行してみてください。

Windows Updateトラブルシューティングツールの実行:

以下のコマンドを管理者としてPowerShellまたはコマンドプロンプトで実行すると、Windows Updateのトラブルシューティングツールが起動し、一般的な問題を自動で診断・修復してくれます。

msdt.exe -id WindowsUpdateDiagnostic

ツールが完了したら、PCを再起動して再度Windows Updateを試してみてください。

解決策2:システム予約済みパーティションの空き容量確保

このエラーの最も一般的な原因の一つが、システム予約済みパーティション(特にEFIシステムパーティション:ESP)の空き容量不足です。Windowsの機能更新には、このパーティションに一定の空き容量が必要です。慎重な操作が必要ですが、以下の手順で空き容量を確保できる場合があります。

注意: この手順はシステムパーティションを直接操作するため、誤った操作はシステムの起動に問題を引き起こす可能性があります。作業を行う前に、重要なデータのバックアップを取ることを強く推奨します。

手順:

  1. 現在のディスク情報を確認:
    • Windowsキー + R を押し、「diskmgmt.msc」と入力してEnterを押し、「ディスクの管理」を開きます。
    • 通常、EFIシステムパーティション (ESP) は数百MB程度のサイズで、「FAT32」ファイルシステムでフォーマットされています。その空き容量を確認してください。もし、ほぼ満杯(数MBしかないなど)であれば、この対処が必要です。
  2. EFIシステムパーティションにドライブレターを割り当てる:

    管理者としてPowerShellまたはコマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを順番に実行します。

    diskpart
    list volume

    表示されたボリュームリストから、ファイルシステムが「FAT32」で、容量が数百MB程度のEFIシステムパーティション(通常は「システム」または「EFI」と表示される)を探し、その「ボリューム番号」をメモします。

    select volume [ボリューム番号]
    assign letter=Y
    exit

    (例: ボリューム番号が 2 の場合、「select volume 2」)
    これで、EFIシステムパーティションがドライブY: としてアクセスできるようになります。

  3. 不要なファイルの削除 (言語パックの削除が最も安全):

    最も安全かつ効果的なのは、不要な言語パックを削除することです。特に古い言語パックが容量を圧迫していることがあります。管理者としてPowerShellまたはコマンドプロンプトで以下のコマンドを実行してください。

    lpksetup /u

    このコマンドを実行すると、GUIでインストールされている言語パックの一覧が表示されます。使用しない言語パックがあれば、チェックを入れて「次へ」をクリックし、アンインストールしてください。

    警告: 上級者向けですが、Y:ドライブ内の「EFI\Microsoft\Boot\Fonts」フォルダ内の不要なフォントファイル(特に古い言語のフォント)や、「Recovery」フォルダなど、アップデートによって一時的に作成されたが不要になったファイルを慎重に削除することで、さらに空き容量を増やすことができます。ただし、システムに必要なファイルを削除すると起動不能になるリスクがありますので、不明なファイルは削除しないでください。

  4. EFIシステムパーティションからドライブレターを解除する:

    ファイルの削除が終わったら、割り当てたドライブレターを解除します。管理者としてPowerShellまたはコマンドプロンプトで以下のコマンドを順番に実行します。

    diskpart
    list volume
    select volume [手順2で割り当てたEFIシステムパーティションのボリューム番号]
    remove letter=Y
    exit

上記の手順後、PCを再起動し、再度Windows Updateを実行してみてください。

解決策3:Secure Bootの設定確認(必要に応じて無効化)

Secure Boot(セキュアブート)はシステムのセキュリティを高める機能ですが、特定のWindows Updateやハードウェア構成との互換性問題を引き起こすことがあります。一時的に無効にすることで問題が解決する場合があります。

注意: Secure Bootを無効にすると、システムのセキュリティが一時的に低下する可能性があります。問題解決後は、速やかにSecure Bootを再度有効にすることをおすすめします。また、BIOS/UEFIの設定はPCメーカーやモデルによって異なりますので、必要に応じてPCのマニュアルをご確認ください。

手順:

  1. PCを再起動し、起動時に指定されたキー(DELキー、F2キー、F10キー、F12キーなど。メーカーにより異なります)を連打してUEFI/BIOS設定画面に入ります。
  2. UEFI/BIOS設定画面で、「Boot」または「Security」などのタブを探し、「Secure Boot」の項目を見つけます。
  3. 「Secure Boot」を「Disabled」(無効)に設定します。
  4. 変更を保存してUEFI/BIOS設定画面を終了し、PCを起動します。

Secure Bootを無効にした後、再度Windows Updateを実行してみてください。アップデートが成功したら、上記手順でSecure Bootを再度「Enabled」(有効)に戻すことを忘れないでください。

解決策4:システムファイルの破損を修復する

システムファイルが破損している場合、Windows Updateが失敗することがあります。以下のコマンドを使用して、システムファイルの整合性をチェックし、修復を試みます。

手順:

管理者としてPowerShellまたはコマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを順番に実行します。

DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
sfc /scannow

各コマンドの完了には時間がかかる場合があります。完了後、PCを再起動して再度Windows Updateを試してください。

3. 0x800f0922 が発生する主要な原因(複数)

これまでの解決策と重複しますが、エラーコード0x800f0922が発生する主な原因を改めてまとめます。

  • システム予約済みパーティションの空き容量不足: Windowsの機能更新プログラムを適用するための十分なスペースがない場合に発生します。
  • Secure Bootの設定問題: UEFI/BIOSのSecure Boot設定が、特定のアップデートと互換性がない場合に阻害することがあります。
  • VPN/プロキシ接続による妨害: 外部ネットワークへの接続設定が、Windows Updateサーバーへの通信をブロックする場合があります。
  • システムファイルの破損: Windowsの重要なシステムファイルが破損していると、アップデートプロセスが失敗します。
  • ネットワーク接続の問題: インターネット接続が不安定であるか、ファイアウォールなどのセキュリティソフトウェアが更新を妨げている可能性があります。

4. Windows Updateで恒久的に再発を防ぐには

将来的に同様のエラーが再発するのを防ぐために、以下の点に留意することをおすすめします。

  • 定期的なディスククリーンアップとストレージ管理:
    • 「設定」 > 「システム」 > 「ストレージ」から、「一時ファイル」や「配信の最適化ファイル」などを定期的にクリーンアップしましょう。
    • 特に、システム予約済みパーティションの空き容量には常に注意を払い、不要な言語パックなどはこまめに削除することを検討してください。
  • 最新のUEFI/BIOSファームウェアの維持:
    • PCメーカーのウェブサイトを確認し、UEFI/BIOSのファームウェアが最新版であるかを確認してください。古いファームウェアがアップデートの互換性問題を引き起こすことがあります。
  • システムファイルの状態を良好に保つ:
    • 定期的にsfc /scannowコマンドを実行し、システムファイルの整合性をチェックする習慣をつけましょう。
  • 信頼できるセキュリティソフトウェアとVPNの使用:
    • 使用しているセキュリティソフトウェアやVPNがWindows Updateのプロセスを妨害しないよう、設定を確認したり、信頼性の高い製品を選んだりすることが重要です。

これらの対策を講じることで、0x800f0922エラーの再発リスクを低減し、スムーズなWindows Update環境を維持できるでしょう。