Windowsの青い画面(ブルースクリーン・オブ・デス、BSOD)に「CRITICAL_PROCESS_DIED」と表示され、お困りではないでしょうか?ご安心ください。このエラーは確かにシステムにとって重要な問題を示していますが、多くの場合は適切な手順を踏むことで解決できます。
この記事では、CRITICAL_PROCESS_DIEDエラーの原因を分かりやすく解説し、Windowsユーザーの皆様がすぐに試せる具体的な解決策を、簡単なものから順にステップバイステップでご紹介します。あなたのPCを再び快適に動作させるための手助けとなるでしょう。
目次
1. CRITICAL_PROCESS_DIED とは?(概要と緊急度)
「CRITICAL_PROCESS_DIED」は、WindowsのOSにとって不可欠なシステムプロセスが予期せず終了してしまったことを意味するエラーです。OSは、このような重要なプロセスが停止すると、システムの整合性を保護するために強制的にシャットダウン(ブルースクリーン表示)します。
このエラーは、単なる一時的な問題から、深刻なハードウェア障害まで、幅広い原因によって発生する可能性があります。緊急度は高いですが、原因を特定し、適切な対処を行うことで解決できるケースがほとんどです。まずは、最も簡単な解決策から試していきましょう。
2. 【最速】今すぐ試すべき解決策
CRITICAL_PROCESS_DIEDエラーが発生した場合、まずは以下の解決策を上から順にお試しください。多くの問題はこれらの手順で解決することが期待できます。
解決策1:セーフモードでの起動とシステムの復元(最も簡単なアプローチ)
BSODが発生してWindowsが正常に起動できない場合でも、セーフモードで起動できれば、問題のあるドライバやソフトウェアを特定・対処したり、システムを以前の正常な状態に戻したりすることが可能です。これが問題解決への最も確実な第一歩となります。
ステップ1:Windows回復環境(WinRE)にアクセスする
Windowsが起動できない状態の場合、通常はPCを2回連続で強制終了すると、3回目の起動時に自動的にWindows回復環境が起動します。もし起動しない場合は、以下の手順で手動でアクセスします。
- PCの電源を入れます。
- Windowsロゴが表示される前に、PCの電源ボタンを長押しして強制的にシャットダウンします。
- この操作を2回繰り返します。
- 3回目の起動で、「自動修復を準備しています」というメッセージが表示され、その後Windows回復環境が起動します。
回復環境が起動したら、以下の順に進みます。
トラブルシューティング > 詳細オプション > スタートアップ設定 > 再起動
再起動後、オプションのリストが表示されます。通常は「4) セーフモードを有効にする」または「5) セーフモードとネットワークを有効にする」を選択します(F4キーまたはF5キー)。
ステップ2:システムの復元を実行する
セーフモードでWindowsが起動したら、最近インストールしたドライバやプログラムが原因である可能性を排除するため、システムを以前の正常な状態に戻します。
1. Windowsキー + R を押し、「ファイル名を指定して実行」を開きます。
2. 「rstrui.exe」と入力し、Enterキーを押します。
3. システムの復元ウィザードが起動します。「次へ」をクリックします。
4. 問題が発生する前の、正常に動作していた復元ポイントを選択します。
5. 「次へ」をクリックし、確認画面で「完了」をクリックして復元を開始します。
システムの復元が完了すると、PCが再起動されます。これで問題が解決するか確認してください。
解決策2:ドライバーの更新、ロールバック、またはアンインストール
CRITICAL_PROCESS_DIEDの最も一般的な原因の一つは、古すぎる、破損した、または互換性のないデバイスドライバーです。セーフモードで起動している間に、この問題を解決しましょう。
ステップ1:デバイスマネージャーを開く
1. Windowsキー + X を押し、メニューから「デバイスマネージャー」を選択します。
2. 問題がありそうなデバイス(特に「不明なデバイス」や黄色の警告マークが付いているもの)を探します。グラフィックカード、ネットワークアダプター、ストレージコントローラーなどが原因となることが多いです。
ステップ2:ドライバーを更新・ロールバック・アンインストールする
- ドライバーの更新:問題のデバイスを右クリックし、「ドライバーの更新」を選択します。「ドライバーを自動的に検索」を選択して、Windowsに最新のドライバーを探させます。
デバイスマネージャー > [デバイス] を右クリック > ドライバーの更新 > ドライバーを自動的に検索 - ドライバーのロールバック:最近ドライバーを更新してから問題が発生した場合は、元のバージョンに戻すことで解決することがあります。
デバイスマネージャー > [デバイス] を右クリック > プロパティ > ドライバー タブ > 「ドライバーを元に戻す」をクリック※「ドライバーを元に戻す」がグレーアウトしている場合は、以前のバージョンが存在しないことを意味します。
- ドライバーのアンインストール:上記で解決しない場合、またはドライバーの破損が疑われる場合は、一度ドライバーをアンインストールし、Windowsに自動的に再インストールさせるか、メーカーサイトから最新版をダウンロードして手動でインストールします。
デバイスマネージャー > [デバイス] を右クリック > デバイスのアンインストール > PCを再起動再起動後、Windowsは自動的に汎用ドライバーをインストールします。その後、メーカーサイトから最新の正式ドライバーをダウンロードしてインストールしてください。
解決策3:システムファイルの破損をチェックし修復する
破損したシステムファイルもCRITICAL_PROCESS_DIEDエラーの原因となることがあります。以下のコマンドを実行して、システムファイルをチェックし、修復を試みます。
ステップ1:管理者としてPowerShellまたはコマンドプロンプトを開く
1. Windowsキー + X を押し、メニューから「Windows PowerShell (管理者)」または「コマンドプロンプト (管理者)」を選択します。
ステップ2:システムファイルチェッカー(SFC)を実行する
このコマンドは、破損したシステムファイルを検出して修復を試みます。
sfc /scannow
実行には時間がかかる場合があります。完了後、「Windowsリソース保護は、整合性違反を検出しませんでした。」または「Windowsリソース保護は、破損したファイルを検出し、正常に修復しました。」といったメッセージが表示されます。
ステップ3:DISMコマンドを実行する
SFCで問題が解決しない場合や、SFCが正常に機能しない場合は、DISM (Deployment Image Servicing and Management) コマンドを使用してWindowsイメージを修復します。
dism /online /cleanup-image /restorehealth
このコマンドも完了までに時間がかかります。完了後、PCを再起動して問題が解決したか確認してください。
3. CRITICAL_PROCESS_DIED が発生する主要な原因(複数)
CRITICAL_PROCESS_DIEDエラーは多岐にわたる原因で発生します。主な原因を理解することで、より深いトラブルシューティングや将来の再発防止に役立ちます。
- ドライバーの問題:最も一般的な原因です。デバイスドライバーが古すぎる、破損している、またはWindowsのバージョンと互換性がない場合に発生します。特に、グラフィックドライバー、ネットワークドライバー、ストレージコントローラードライバーが関連することが多いです。
- システムファイルの破損:Windowsのシステムファイルが何らかの原因(不正なシャットダウン、ディスクエラー、マルウェアなど)で破損すると、重要なプロセスが正常に動作できなくなります。
- ハードウェアの故障/問題:
- メモリ(RAM)の問題: 不良なRAMモジュールや、挿し込み不良が原因でシステムが不安定になることがあります。
- ストレージ(HDD/SSD)の問題: 不良セクタ、ケーブルの緩み、またはドライブ自体の故障により、OSが必要なファイルを読み込めなくなり、プロセスが停止することがあります。
- CPUのオーバーヒート: CPUの温度が異常に高くなると、システム保護のため強制終了することがあります。
- マルウェア感染:悪意のあるソフトウェアがシステムプロセスを妨害したり、重要なファイルを破損させたりすることでエラーが発生することがあります。
- ソフトウェアの競合:新しくインストールしたソフトウェアや、既存のソフトウェアが他のシステムプロセスやセキュリティソフトと競合し、問題を引き起こすことがあります。
- Windowsアップデートの問題:Windowsアップデートが正しく適用されなかったり、特定のハードウェアやソフトウェアとの間に互換性の問題が生じたりした場合にも発生することがあります。
4. Windows BSODで恒久的に再発を防ぐには
一度CRITICAL_PROCESS_DIEDを解決しても、再発の可能性はゼロではありません。以下の対策を日常的に行うことで、システムを安定させ、将来のBSODを未然に防ぎましょう。
- 定期的なドライバーとWindowsの更新:常に最新のWindows Updateを適用し、デバイスドライバーもメーカーの公式サイトから最新版をダウンロードしてインストールすることで、既知のバグや脆弱性が修正され、互換性の問題が解消されます。
- 信頼できるセキュリティソフトウェアの利用:アンチウイルスソフトを常に最新の状態に保ち、定期的にシステムスキャンを実行してマルウェアの感染を防ぎます。
- ハードウェアの定期的なチェック:
- メモリ診断: Windows標準の「Windowsメモリ診断」ツール(
mdsched.exe)を実行し、メモリに問題がないか定期的にチェックします。
- ディスクチェック:
chkdskコマンドや、ドライブメーカー提供の診断ツールを使用して、HDD/SSDの健康状態を監視します。
- PC内部の清掃: ホコリの蓄積はPCの過熱を引き起こし、ハードウェアに悪影響を与えるため、定期的に清掃を行います。
- メモリ診断: Windows標準の「Windowsメモリ診断」ツール(
- システム復元ポイントの活用:重要なソフトウェアをインストールする前や、Windows Updateを適用する前など、定期的にシステム復元ポイントを作成しておくと、問題発生時にすぐに正常な状態に戻すことができます。
- 不要なソフトウェアのアンインストール:使用していないプログラムはシステムリソースを消費し、競合の原因となることもあります。定期的にプログラムを整理し、不要なものはアンインストールしましょう。
- イベントビューアーの確認:CRITICAL_PROCESS_DIEDエラーが発生した場合、イベントビューアー(
eventvwr.msc)を確認することで、エラー発生直前のシステムログから原因の手がかりを見つけられることがあります。
これらの対策を行うことで、CRITICAL_PROCESS_DIEDだけでなく、その他のBSODエラーの発生確率を大幅に減らし、安定したPC環境を維持することができます。もしご自身での解決が難しいと感じた場合は、専門の修理業者に相談することも検討してください。