【解決】 VS Code: The active debug session does not support ‘restart’ の解決方法と原因 | VS Code Debugger トラブルシューティング

VS Codeでデバッグ中に「The active debug session does not support ‘restart’」というメッセージが表示されてお困りですか?ご安心ください。このメッセージは決して深刻なエラーではなく、デバッグ作業が完全に停止するわけではありません。デバッガの機能的な制限を示すものであり、簡単な手順で解決できます。この記事では、このエラーの意味から、今すぐできる最速の解決策、そして恒久的な対策まで、Windowsユーザー向けに具体的に解説します。

1. VS Code: The active debug session does not support ‘restart’ とは?(概要と緊急度)

このメッセージは、現在使用しているVS Codeのデバッグセッション(より正確には、そのセッションを管理しているデバッグアダプタ)が、実行中のプログラムを「再起動」する機能をサポートしていないことを意味します。

  • エラーの意味: VS Codeのデバッグツールバーにある「再起動」ボタンをクリックした際、または特定のコマンドを実行した際に、デバッガがそのコマンドを処理できないことを示します。デバッグアダプタが、プログラムの停止から再開までの一連の処理を自動で行う機能を持っていないためです。
  • 緊急度: 中程度。デバッグ作業が完全にブロックされるわけではありませんのでご安心ください。既存のデバッグセッションは続行できますし、プログラムも実行され続けています。ただし、コードを変更した後にデバッグセッションをすぐに再開したい場合、手動で停止・開始する必要があるため、一時的に作業効率が低下する可能性があります。

2. 【最速】今すぐ試すべき解決策

このエラーメッセージが表示された場合、最も早く、そして確実にデバッグを再開する方法は、現在のデバッグセッションを一度手動で停止し、その後改めて開始することです。これはデバッグアダプタが「restart」コマンドに対応していないための代替手段となります。

解決策1:手動でデバッグセッションを停止・再開する

この問題は、VS CodeのUI操作によって簡単に解決できます。特別なコマンド入力は不要です。

以下の手順で、デバッグセッションを確実に再起動できます。

# 現在のデバッグセッションを停止する
# VS Codeのデバッグツールバーにある「停止」ボタン(赤い四角)をクリックするか、
# キーボードショートカット「Shift + F5」を押します。

# 新しいデバッグセッションを開始する
# VS Codeのデバッグツールバーにある「デバッグの開始」ボタン(緑色の再生ボタン)をクリックするか、
# キーボードショートカット「F5」を押します。

これにより、デバッガは完全にリセットされ、新しいセッションとしてプログラムが再実行されます。

3. VS Code: The active debug session does not support ‘restart’ が発生する主要な原因(複数)

このエラーメッセージが表示される主な原因は、デバッグアダプタの機能的制限にあります。

  • デバッグアダプタの機能制限:最も直接的な原因は、VS Codeのデバッグエクステンション(デバッグアダプタ)が、プログラムの「再起動」機能を内部的に実装していないことです。特に、特定のプログラミング言語やフレームワーク向けの比較的新しい、またはニッチなデバッガで発生しやすい傾向があります。デバッガによっては、複雑なプロセスの管理や外部リソースの解放が難しい、あるいは実装コストが高いため、再起動機能の提供を省略している場合があります。
  • launch.jsonの設定:まれに、launch.jsonファイル内のデバッグ設定が、デバッガの再起動機能をサポートしていない構成になっていることがあります。例えば、既に実行中のプロセスにアタッチするrequest: "attach"タイプの設定では、デバッグ対象プロセスをVS Codeが直接管理していないため、再起動が困難な場合があります。
  • VS Codeまたはエクステンションのバージョン:VS Code本体や関連するデバッグエクステンションが古いバージョンの場合、既知のバグや機能不足によりこのメッセージが表示されることがあります。最新バージョンに更新することで改善される可能性があります。

4. VS Code Debuggerで恒久的に再発を防ぐには

このエラーメッセージは、デバッグアダプタの性質上、完全に「再発を防ぐ」ことが難しい場合があります。しかし、以下の対策を講じることで、ワークフローを最適化し、よりスムーズなデバッグ体験を得ることができます。

4.1. デバッグエクステンションの確認と更新

  • ドキュメントの確認:使用しているプログラミング言語やフレームワークのデバッグエクステンションの公式ドキュメントを確認し、「restart」機能がサポートされているか、または特定の構成が必要かを確認してください。
  • 最新バージョンへの更新:VS Code本体およびすべてのデバッグ関連エクステンションを常に最新バージョンに保つようにしましょう。これにより、バグ修正や機能改善が適用され、状況が改善する可能性があります。
    # VS Codeエクステンションを最新の状態に更新する
    # 1. VS Code内で左側のアクティビティバーにある「拡張機能」アイコン (Ctrl+Shift+X) をクリックします。
    # 2. 更新可能な拡張機能があれば、上部に「すべて更新」ボタンが表示されます。
    # 3. または、個別の拡張機能の設定ページ (歯車アイコン) で「更新を確認」や「更新」を実行します。
    

4.2. launch.jsonのデバッグ構成を見直す

launch.jsonファイルにカスタム設定がある場合、デバッグタイプ(type)やリクエスト(request)を確認し、restartをサポートしているか、あるいは別の構成オプションがないか検証します。

  • 特にattachタイプを使用している場合、プロセスにアタッチする性質上、VS Codeがプロセス全体を管理していないためrestartがサポートされないのは一般的です。この場合は、ホットリロードやファイルウォッチャーなどの別の方法で開発効率を高めることを検討してください。
    // launch.json の例 (restartが期待できないattach設定の典型)
    {
        "version": "0.2.0",
        "configurations": [
            {
                "name": "Attach to Process",
                "type": "node", // 例: Node.js デバッガ
                "request": "attach",
                "processId": "${command:PickProcess}", // 実行中のプロセスを選択
                "skipFiles": [
                    "<node_internals>/**"
                ]
            }
        ]
    }
    

    ヒント: もしrestartが可能なデバッガであれば、launch.jsonで特別な設定は不要な場合がほとんどです。むしろ、特定のフラグや設定によって意図せず無効化されていないかを確認する方が重要です。

4.3. ホットリロード/ホットリフレッシュ機能の活用

もしあなたが開発している言語やフレームワークがホットリロードやホットリフレッシュ(例: React Native, Vue.jsのHMR、Node.jsのnodemon、ASP.NET CoreのHot Reload)をサポートしている場合、デバッガの「再起動」機能に依存せず、そちらを活用する方がはるかに効率的です。

これらの機能は、コード変更を即座にアプリケーションに反映させるため、デバッガを再起動する手間を省き、開発サイクルを大幅に短縮できます。デバッガの「restart」機能の代わりに、これらの開発ツールを積極的に活用することを検討しましょう。