【解決】 Paper Jam の解決方法と原因 | プリンター トラブルシューティング

プリンターを使用中に突然「Paper Jam(紙詰まり)」のエラーが表示され、印刷が停止してしまうと焦ってしまいますよね。ご安心ください。Paper Jamはプリンターのトラブルの中でも非常に一般的で、ほとんどの場合、専門知識がなくてもご自身で簡単に解決できます。

この記事では、Paper Jamのエラーに直面した際に、Windowsユーザーが最速で問題を解決するための具体的な手順と、今後の再発を防ぐためのヒントを詳しく解説します。ぜひ、落ち着いて以下の手順をお試しください。

1. Paper Jam とは?(概要と緊急度)

Paper Jamとは、プリンター内部で紙が正常に給紙・排紙されずに詰まってしまう現象を指します。印刷中のインクが擦れてしまったり、紙が破れてしまったりすることもあります。このエラーが発生すると、基本的にそれ以上の印刷は不可能になります。

緊急度としては「中〜高」ですが、物理的な問題がほとんどであるため、適切な手順で対処すればすぐに解決し、プリンター本体が故障するケースは稀です。焦らず、まずは詰まった紙を取り除く作業から始めましょう。

2. 【最速】今すぐ試すべき解決策

Paper Jamが発生したら、まず以下の手順を上から順に試してください。多くの場合、これだけで問題は解決します。

解決策1:物理的な紙詰まりの解消とプリンターキューのクリア

  1. プリンターの電源を切る: まず、プリンターの主電源をコンセントから抜き、完全に電源をオフにします。これにより、予期せぬ動作や感電のリスクを防ぎます。
  2. プリンター内部を確認し、詰まった紙を取り除く:
    • プリンターのフタやカバーを開け、内部を丁寧に確認します。
    • 詰まっている紙を、破れないようにゆっくりと、印刷の進行方向(通常は手前から奥、または奥から手前)と逆方向に引き抜きます。無理に引っ張ると紙が破れて内部に残り、さらなるトラブルの原因となります。
    • 小さな紙片やホッチキスの針、クリップなどの異物が残っていないか、懐中電灯などで隅々まで確認します。特に、紙送りのローラー付近や、紙を検知するセンサーの周辺を重点的にチェックしてください。
    • プリンターの機種によっては、背面や側面にメンテナンス用のカバーがあり、そこを開けることで詰まった紙を取り出しやすい場合があります。取扱説明書を参照してください。
  3. 給紙トレイの確認と再セット:
    • 給紙トレイから一度すべての用紙を取り出します。
    • 用紙が正しくセットされているか、ガイドが用紙の端に合わせて調整されているかを確認し、もう一度用紙をセットし直します。しわや折れのある用紙は取り除きましょう。
  4. プリンターキュー(印刷待ち行列)をクリアする: 紙詰まりが解消された後も、Windowsに残った印刷ジョブが原因でエラーが続くことがあります。以下のコマンドで印刷キューを完全にリセットします。
# 管理者としてPowerShellを実行し、以下のコマンドを入力します。
Stop-Service -Name Spooler
Get-ChildItem -Path C:\Windows\System32\spool\PRINTERS\* -Recurse | Remove-Item -Force -ErrorAction SilentlyContinue
Start-Service -Name Spooler

コマンドの説明:

  • Stop-Service -Name Spooler: プリンターの印刷スプーラーサービスを停止します。これにより、現在処理中のすべての印刷ジョブが中断されます。
  • Get-ChildItem -Path C:\Windows\System32\spool\PRINTERS\* -Recurse | Remove-Item -Force -ErrorAction SilentlyContinue: 印刷キューが保存されているフォルダ内のファイルを強制的に削除します。これにより、すべての印刷ジョブがクリアされます。
  • Start-Service -Name Spooler: 印刷スプーラーサービスを再開します。

上記の手順を終えたら、プリンターの電源を入れ直し、テスト印刷を試してみてください。

3. Paper Jam が発生する主要な原因(複数)

Paper Jamは偶然に発生することもありますが、多くの場合、以下のいずれかの原因が潜んでいます。

  • 不適切な用紙の使用:
    • 推奨されていない厚さや種類の紙(薄すぎる、厚すぎる、表面が特殊など)。
    • しわや折れのある紙、湿気を吸って波打った紙。
  • 給紙トレイへの誤ったセット:
    • 用紙ガイドが正しく調整されていない。
    • 一度に多すぎる枚数の紙をセットしている。
    • 異なる種類の紙を混ぜてセットしている。
  • プリンター内部の汚れや劣化:
    • 給紙ローラーが劣化し、紙をうまく送れない。
    • 紙詰まりを検知するセンサーにホコリや紙片が付着している。
    • プリンター内部にホコリが溜まっている。
  • 異物の混入:
    • ホッチキスの針、クリップ、破れた紙片などがプリンター内部に残っている。
  • プリンタードライバーの問題(稀):
    • 非常に稀ですが、ドライバーの不具合が原因で紙送りが正常に行われず、詰まりを引き起こすこともあります。

4. プリンターで恒久的に再発を防ぐには

Paper Jamの再発を防ぎ、快適な印刷環境を維持するために、以下の対策を習慣化することをおすすめします。

  • 推奨用紙の使用と適切な保管:
    • プリンターメーカーが推奨する用紙を使用しましょう。
    • 用紙は湿気の少ない場所で保管し、開封後はできるだけ早く使い切るか、密閉できる袋などに入れて保管しましょう。
    • しわや折れのある用紙、丸まっている用紙は使用しないようにしましょう。
  • 正しい用紙のセット方法:
    • 給紙トレイに用紙をセットする際は、枚数を守り、用紙ガイドを正確に調整してください。
    • 異なる種類の用紙を混ぜてセットするのは避けましょう。
  • 定期的な清掃とメンテナンス:
    • プリンター内部(特に給紙ローラーや排紙経路)を定期的に清掃しましょう。柔らかい布や綿棒でホコリや紙粉を取り除きます。
    • 市販のプリンタークリーニングシートを使用するのも効果的です。
    • センサー部分も、軽く清掃してホコリがないか確認してください。
  • 異物混入の徹底防止:
    • 印刷する書類にホッチキスやクリップが付いていないか、必ず確認してからセットしましょう。
    • プリンターの近くに小さな文具などを置かないように注意しましょう。
  • プリンタードライバーの更新:
    • プリンターメーカーのウェブサイトから、最新のドライバーを定期的に確認し、必要に応じて更新しましょう。これにより、予期せぬソフトウェア起因の問題も回避できます。

これらの対策を行うことで、Paper Jamの発生頻度を大幅に減らし、スムーズな印刷作業を維持することができます。もし上記の手順を試しても解決しない場合は、プリンター本体の故障や、より複雑な問題の可能性がありますので、メーカーのサポート窓口への相談をご検討ください。