JIRAをお使いの際に「JIRA: JIRA server could not be contacted」というエラーメッセージが表示され、お困りではないでしょうか？このメッセージは、JIRAサーバーとの通信が何らかの理由で確立できないことを意味します。しかしご安心ください、多くの場合、簡単な手順で解決できます。この記事では、このエラーの原因を究明し、Windowsユーザーの皆様が今すぐ試せる最も速い解決策から、恒久的な再発防止策までを詳しく解説します。
目次
1. JIRA: JIRA server could not be contacted とは？（概要と緊急度）
このエラーメッセージは、お使いのコンピューターがJIRAサーバーに接続できない状態であることを示しています。具体的には、以下のいずれかの理由でサーバーと通信できていません。
- JIRAサーバー自体がダウンしている、または停止している
- お使いのPCからJIRAサーバーへのネットワーク接続に問題がある（インターネット接続、社内ネットワーク、ファイアウォールなど）
- JIRAサーバーのホスト名をIPアドレスに変換するDNS解決に問題がある
- プロキシサーバーを使用している場合、そのプロキシサーバーに問題がある
このエラーはJIRAの利用を完全に妨げるため、業務への影響は大きく、緊急度は高と判断されます。しかし、焦る必要はありません。まずは以下の「最速」解決策を試してみてください。
2. 【最速】今すぐ試すべき解決策
まずは落ち着いて、最もシンプルかつ効果的な以下の解決策から順に試してみましょう。多くの場合、これで問題が解決します。
解決策1：[最も簡単な方法] 自身のPCのネットワーク接続とJIRAサーバーの疎通を確認する
まずは、JIRAサーバーと通信するために必要な基本的なネットワーク接続が確立されているかを確認します。これにより、問題が自身のPC側にあるのか、ネットワーク環境にあるのか、あるいはJIRAサーバー側にあるのかを切り分けられます。
ステップ1: インターネット接続の確認
まず、お使いのPCがインターネットに接続されているかを確認します。JIRAがクラウドサービスとして提供されている場合や、外部のサーバーにある場合は必須です。
- ブラウザを開き、Googleなどの一般的なウェブサイトにアクセスしてみてください。
- もし他のサイトにもアクセスできない場合は、Wi-Fi接続や有線LANケーブルの接続を確認してください。
ステップ2: JIRAサーバーへの疎通確認（pingコマンド）
次に、JIRAサーバー自体にネットワーク的に到達可能かを確認します。JIRAサーバーのホスト名（例: jira.example.com）またはIPアドレスが分かっている場合に行います。
ping [JIRAサーバーのホスト名またはIPアドレス]例:
ping jira.yourcompany.com
ping 192.168.1.100- 「Reply from …」と表示され、応答がある場合：ネットワーク接続は問題ありません。JIRAサーバーは稼働している可能性があります。
- 「Request timed out」または「Destination host unreachable」と表示される場合：JIRAサーバーへのネットワーク接続に問題があるか、サーバーが停止している可能性があります。
ステップ3: JIRAサーバーのDNS解決の確認（nslookupコマンド）
ホスト名でpingが失敗した場合、そのホスト名が正しいIPアドレスに解決されているかを確認します。DNS（Domain Name System）の問題である可能性があります。
nslookup [JIRAサーバーのホスト名]例:
nslookup jira.yourcompany.com- IPアドレスが表示される場合：DNS解決は正常に行われています。
- 「Non-existent domain」や「Can’t find …」などのエラーが表示される場合：DNS解決に問題があります。JIRAサーバーのホスト名が間違っているか、お使いのPCのDNS設定に問題がある可能性があります。
ステップ4: 他のユーザーも同じエラーか確認する
もし可能であれば、同じJIRAを利用している同僚やチームメンバーに、彼らのJIRAも同様に「server could not be contacted」エラーが表示されるか尋ねてみてください。
- 他のユーザーも同じエラーの場合：JIRAサーバー自体、または社内ネットワーク全体の問題である可能性が高いです。JIRAの管理者やIT部門に連絡してください。
- 自分だけエラーの場合：お使いのPC固有の問題（ネットワーク設定、ブラウザ、セキュリティソフトなど）の可能性が高いです。
ステップ5: ブラウザのキャッシュクリアとPCの再起動
稀に、ブラウザのキャッシュや一時的なPCの不具合が原因で接続できなくなることがあります。
- 使用しているウェブブラウザのキャッシュとCookieをクリアしてから、JIRAに再アクセスしてみてください。
- お使いのPCを再起動してみてください。
3. JIRA: JIRA server could not be contacted が発生する主要な原因（複数）
前述の解決策で問題が解決しなかった場合、または今後のトラブルシューティングのために、このエラーが発生する主な原因を理解しておくことは重要です。
- JIRAサーバーのダウンまたは停止:最も一般的な原因です。JIRAが動作しているサーバー自体が停止しているか、JIRAアプリケーションサービスが予期せず停止している可能性があります。これは、メンテナンス作業中、サーバーの過負荷、障害などによって発生します。
- ネットワーク接続の問題:
- インターネット接続の障害: PCとJIRAサーバー間のインターネット接続が断絶している場合。
- 社内ネットワークの問題: 社内ネットワーク内のルーター、スイッチ、ケーブルなどに問題がある場合。
- ファイアウォールによるブロック: クライアントPC、社内ネットワークのファイアウォール、またはJIRAサーバー側のファイアウォールが、JIRAへの通信ポート（通常TCP 80または443）をブロックしている場合。
- VPN接続の問題: VPNを介してJIRAにアクセスしている場合、VPN接続が不安定であるか、切断されている場合。
- DNS解決の問題:JIRAサーバーのホスト名（例:
jira.example.com）を正しいIPアドレスに変換できない場合、接続を確立できません。これは、DNSサーバーがダウンしている、誤ったDNS設定、またはDNSキャッシュの問題によって発生します。 - プロキシサーバーの問題:組織でインターネットアクセスにプロキシサーバーを使用している場合、プロキシサーバーがダウンしている、プロキシ設定が誤っている、または認証に失敗している可能性があります。
- JIRAアプリケーション自体の問題:JIRAアプリケーションが高負荷状態である、メモリ不足、データベース接続の問題などにより、正常に応答できていない可能性があります。
- クライアントPC側の問題:ごく稀に、お使いのPCのセキュリティソフトウェア（アンチウイルスソフト、パーソナルファイアウォール）がJIRAへの通信を誤ってブロックしている場合があります。
4. JIRAで恒久的に再発を防ぐには
このエラーが繰り返し発生する場合は、根本的な解決と再発防止のための対策を講じる必要があります。これは多くの場合、JIRAのシステム管理者やIT部門が主導する作業になりますが、ユーザーとしても知っておくべき点があります。
- JIRAサーバーの監視体制の強化:JIRAサーバーの稼働状況、CPU使用率、メモリ使用量、ディスクIO、ネットワークトラフィックなどを常時監視するシステムを導入します。これにより、障害の予兆を早期に検知し、未然に防ぐことができます。
- ネットワークインフラの安定化:サーバーとクライアント間のネットワーク経路にあるルーター、スイッチ、ファイアウォールなどのネットワーク機器を定期的にメンテナンスし、安定稼働を確保します。冗長化の検討も有効です。
- ファイアウォールルールの適切な設定と見直し:必要なポート（通常TCP 80/443）がクライアントからJIRAサーバーまで正しく解放されているかを確認し、不必要なブロックがないか定期的に見直します。
- DNS設定の確認と最適化:信頼性の高いDNSサーバーを使用し、JIRAサーバーのホスト名解決が常に正しく行われるようにします。社内DNSサーバーの場合、その安定稼働も重要です。
- プロキシ設定の標準化と管理:組織でプロキシサーバーを使用する場合、その設定情報を全ユーザーに周知し、プロキシサーバー自体の稼働状況も監視します。
- JIRAアプリケーションの定期的なメンテナンス:JIRAの定期的なアップデート適用、データベースの最適化、不要なキャッシュのクリアなどを行い、JIRAアプリケーションが常に最適なパフォーマンスで動作するようにします。
- 障害発生時の連絡体制の確立:JIRAサーバーがダウンした場合やメンテナンスを行う場合に備え、ユーザーへの迅速な情報共有と、JIRA管理チームへの連絡体制を確立しておくことが重要です。
このエラーは、JIRAへのアクセスができないため、業務に大きな影響を及ぼす可能性があります。しかし、この記事でご紹介したステップを順に試すことで、迅速に問題を解決し、安心してJIRAを利用できるようになるでしょう。解決しない場合は、JIRAのシステム管理者またはIT部門へ、試した内容とエラーの状況を詳しく伝えて相談してください。