【解決】 Grafana: Data source error の解決方法と原因 | Grafana トラブルシューティング

1. Grafana: Data source error とは?(概要と緊急度)

Grafanaで「Data source error」というメッセージに遭遇したとき、ご心配は無用です。これはGrafanaがダッシュボードに表示しようとしているデータ(Prometheus, InfluxDBなどのデータソースから取得されるもの)にアクセスできないことを示しています。簡単に言えば、Grafanaがデータを受け取れなくなっている状態です。

このエラーは、Grafanaが監視対象のシステムから情報を取得できていないことを意味するため、システムの健全性を把握する上で非常に重要です。緊急度は高めですが、多くの場合、簡単な手順で迅速に解決できます。深く心配せず、まずは落ち着いて以下の解決策をお試しください。

2. 【最速】今すぐ試すべき解決策

解決策1:関係するサービスの再起動

最も簡単で効果的な解決策は、Grafanaサービスと、接続しようとしているデータソース(PrometheusやInfluxDBなど)のサービスを再起動することです。一時的なネットワークの不具合やリソースの解放により、問題が解決することが非常に多いです。

Windows環境の場合、以下の手順でサービスを再起動できます。サービス名はご自身の環境に合わせて調整してください。

Grafanaサービスの再起動

PowerShellを管理者として開き、以下のコマンドを実行します。

Get-Service -Name "grafana*" | Restart-Service -Force -Confirm:$false

(注: Grafanaのサービス名は「grafana」または「grafana-server」など、環境によって異なります。Get-Serviceで確認してください。例えば、Get-Service grafana-server | Restart-Service -Force -Confirm:$false となる場合があります。)

データソースサービスの再起動(例: Prometheus, InfluxDB)

同様に、データソースのサービスも再起動します。こちらもサービス名は環境に合わせて調整してください。

# Prometheusの場合の例
Get-Service -Name "Prometheus*" | Restart-Service -Force -Confirm:$false

# InfluxDBの場合の例
Get-Service -Name "InfluxDB*" | Restart-Service -Force -Confirm:$false

(注: PrometheusやInfluxDBなどのデータソースをWindowsサービスとして実行している場合のみ有効です。サービス名が不明な場合は、Windowsの「サービス」アプリ(services.msc)を開いて確認してください。)

すべてのサービスを再起動した後、数分待ってからGrafanaダッシュボードをリロードし、エラーが解消されているか確認してください。

3. Grafana: Data source error が発生する主要な原因(複数)

上記で解決しない場合、以下のいずれかが原因である可能性が高いです。論理的に原因を特定し、対処していきましょう。

3.1. データソース側の問題

  • データソースサービスが停止している: PrometheusやInfluxDBなどのデータソースを提供するアプリケーション自体が起動していない、またはクラッシュしている可能性があります。
  • データソースサーバーのリソース不足: データソースが稼働しているサーバーのCPU、メモリ、ディスクI/Oが枯渇しており、Grafanaからのリクエストに応答できない状態になっていることがあります。
  • データソースサーバーのネットワーク接続問題: データソースサーバー自体がネットワークから切断されている、またはIPアドレスが変更された可能性があります。

3.2. Grafana側の設定またはネットワーク問題

  • データソース設定の誤り: Grafanaに設定されているデータソースのURL、ポート番号、IPアドレス、データベース名などが間違っている可能性があります。特にIPアドレスが変更された場合に発生しやすいです。
  • 認証情報の誤り: データソースへの接続にユーザー名、パスワード、APIキーなどの認証情報が必要な場合、それらが間違っているか、有効期限が切れている可能性があります。
  • ファイアウォールによるブロック: Grafanaサーバーとデータソースサーバー間の通信が、どちらかのサーバーまたはネットワーク上のファイアウォールによってブロックされている可能性があります。特にデータソースが使用するポート(例: Prometheusの9090、InfluxDBの8086)が閉じられていることがよくあります。
  • ネットワーク不通: Grafanaサーバーからデータソースサーバーへのネットワーク経路に問題があり、pingが通らないなどの状況が考えられます。DNS解決の問題も含まれます。
  • SSL/TLS証明書の問題: HTTPSでデータソースに接続している場合、証明書の期限切れ、無効な証明書、または信頼されていない証明書が原因で接続が失敗することがあります。

4. Grafanaで恒久的に再発を防ぐには

一時的な解決だけでなく、将来的な再発を防ぐための対策も重要です。

4.1. データソース設定の定期的な確認とバージョン管理

  • 設定のダブルチェック: Grafanaのデータソース設定を定期的に見直し、URL、ポート、認証情報が常に正しいことを確認しましょう。
  • 設定のバージョン管理: Grafanaの設定ファイルやデータソース定義をGitなどのバージョン管理システムで管理することで、変更履歴を追跡し、誤った変更を元に戻せるようにします。

4.2. 監視の強化

  • データソースサービスのヘルスチェック: Grafanaからだけでなく、データソースサービス自体が正常に稼働しているかを監視するシステム(別の監視ツールやスクリプト)を導入しましょう。
  • ネットワーク監視: Grafanaサーバーとデータソースサーバー間のネットワーク接続状況を常に監視し、通信断が発生したらすぐにアラートが上がるように設定します。
  • リソース監視: 両サーバーのCPU、メモリ、ディスク使用率を監視し、しきい値を超えた場合にアラートを出すことで、リソース不足が原因となる障害を未然に防ぎます。
  • Grafanaログの監視: Grafanaのログ(通常はgrafana.log)を定期的に確認するか、ログ監視ツールと連携してエラーや警告を早期に検出します。

4.3. システムとネットワークのベストプラクティス

  • ファイアウォールルールの定期的なレビュー: 必要なポートが正しく開かれているか、不要なポートが閉じられているかを定期的に確認し、セキュリティと接続性を両立させます。
  • DNS解決の信頼性確保: 安定したDNSサーバーを使用し、名前解決の問題が発生しないようにします。
  • 冗長化とフェイルオーバー: 重要なデータソースやGrafanaインスタンスについては、冗長構成やフェイルオーバーメカニズムを導入し、単一障害点(SPOF)を排除することを検討します。

これらの対策を講じることで、「Data source error」の発生頻度を大幅に減らし、安定したGrafana運用が可能になります。