Webサイトにアクセスしようとした際に「ERR_NAME_NOT_RESOLVED」というエラーメッセージが表示され、困惑していることと存じます。
ご安心ください。このエラーはネットワーク関連でよく発生する問題であり、多くの場合、簡単な手順で解決できます。
この記事では、Windowsユーザーの皆様がこのエラーを迅速に解決できるよう、具体的な解決策と原因、そして将来的な再発防止策を網羅的に解説します。
目次
1. ERR_NAME_NOT_RESOLVED とは?(概要と緊急度)
「ERR_NAME_NOT_RESOLVED」は、ウェブブラウザがアクセスしようとしているウェブサイトの「名前」(ドメイン名)を「解決」できなかったことを意味します。
具体的には、ウェブサイトのアドレス(例: google.com)をインターネット上の住所(IPアドレス)に変換する「DNS(Domain Name System)」という仕組みが正しく機能しなかったときに表示されます。
これは通常、一時的なネットワークの問題、DNSサーバーの設定ミス、またはアクセスしようとしているドメインが存在しない場合に発生します。
このエラーが表示されても、インターネット接続が完全に失われているわけではなく、多くの場合、別のウェブサイトにはアクセスできるはずです。緊急度は中程度で、これからご紹介する手順で解決できる可能性が高いのでご安心ください。
2. 【最速】今すぐ試すべき解決策
まずは、最も簡単で効果的な解決策から試してみましょう。多くの場合、これらの簡単な手順で問題は解決します。
解決策1:ブラウザとPC、ルーターの再起動、DNSキャッシュのクリア
多くの場合、一時的な不具合やキャッシュの問題で発生します。まずは基本に立ち返り、システム全体をリフレッシュしてみましょう。
- ウェブブラウザの再起動: 開いているブラウザの全てのウィンドウを閉じ、再度開いてみてください。
- PCの再起動: パソコン自体を再起動することで、一時的なシステムの問題が解消されることがあります。
- ルーター(モデム)の再起動: ネットワーク機器の一時的な不調も原因となることがあります。ルーターやモデムの電源を抜き、30秒ほど待ってから再度差し込んでみてください。
- DNSキャッシュのクリア: Windowsが一時的に保存しているDNS情報が古くなっている可能性があります。以下のコマンドを実行して、キャッシュをクリアします。
ipconfig /flushdns
このコマンドは、DNSリゾルバーキャッシュを正常にフラッシュしたことを示すメッセージが表示されれば成功です。その後、もう一度ウェブサイトにアクセスしてみてください。
3. ERR_NAME_NOT_RESOLVED が発生する主要な原因(複数)
上記の解決策で問題が解決しない場合、以下のいずれかの原因が考えられます。それぞれの原因とそれに対応するトラブルシューティング方法を見ていきましょう。
- ドメイン名が存在しない、または入力ミス:アクセスしようとしているウェブサイトのドメイン名自体が存在しないか、URLの入力ミス(スペルミスなど)がある場合です。もう一度URLが正しいか確認してください。
- DNSサーバーの問題:あなたのコンピューターが使用しているDNSサーバー(通常はインターネットサービスプロバイダ(ISP)から提供されるもの)に問題があるか、応答していない可能性があります。
この場合、別のDNSサーバー(例: Google Public DNS, Cloudflare DNS)に変更することで解決することがあります。確認方法(nslookupコマンド):
ドメイン名がDNSサーバーによって解決できるかを確認するには、以下のコマンドを使用します。対象のドメインがIPアドレスに変換されているかを確認してください。
nslookup [アクセスできないドメイン名] # 例: nslookup example.comこのコマンドで「Non-existent domain」や「can’t find [ドメイン名]: Non-existent domain」といった応答がある場合、そのドメインは存在しないか、DNSサーバーが解決できていないことを示唆します。
また、DNSサーバーの応答が非常に遅い、またはタイムアウトする場合は、DNSサーバー自体の問題が考えられます。 - ネットワーク接続の一時的な問題:Wi-Fi接続の不安定さやイーサネットケーブルの断線など、一時的なネットワーク接続の問題でも発生します。
別のウェブサイトにアクセスできるか確認し、ネットワーク接続自体に問題がないか確認してください。 - ファイアウォールやセキュリティソフトウェアによるブロック:Windows Defenderなどのファイアウォールや、インストールしているセキュリティソフトウェアが特定のウェブサイトへのアクセスを誤ってブロックしている場合があります。
一時的にこれらを無効にしてアクセスできるか試してみてください(セキュリティリスクにご注意ください)。 - hostsファイルによる上書き:Windowsのhostsファイルは、特定のドメイン名を直接IPアドレスにマッピングする機能を持っています。
意図しない設定やマルウェアによってこのファイルが改変されている場合、ERR_NAME_NOT_RESOLVEDが発生することがあります。
hostsファイルは通常C:\Windows\System32\drivers\etc\hostsにあります。メモ帳などで開き、見慣れないエントリがないか確認してください。
4. ネットワークで恒久的に再発を防ぐには
今回の問題を解決できたとしても、将来的に再発しないように、いくつかの予防策を講じることができます。
- 信頼性の高いパブリックDNSサーバーの使用:ISPが提供するDNSサーバーの応答が不安定な場合、Google Public DNS (8.8.8.8, 8.8.4.4) や Cloudflare DNS (1.1.1.1, 1.0.0.1) など、信頼性が高く高速なパブリックDNSサーバーに切り替えることを検討してください。
設定方法:
- 「コントロールパネル」を開き、「ネットワークと共有センター」をクリックします。
- 左側のメニューから「アダプターの設定の変更」をクリックします。
- 現在使用しているネットワークアダプター(例: イーサネット、Wi-Fi)を右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 「インターネット プロトコル バージョン 4 (TCP/IPv4)」を選択し、「プロパティ」をクリックします。
- 「次のDNSサーバーのアドレスを使う」を選択し、優先DNSサーバーと代替DNSサーバーに任意のパブリックDNSのアドレスを入力します。
- 「OK」をクリックして設定を保存します。
- ネットワーク機器の定期的な再起動:ルーターやモデムは長時間稼働しているとパフォーマンスが低下することがあります。定期的に(例えば月に一度)再起動することで、安定したネットワーク環境を維持できます。
- ウェブブラウザのキャッシュ管理:ブラウザのキャッシュは便利ですが、古くなると問題を引き起こすことがあります。定期的にキャッシュやCookieをクリアする習慣をつけましょう。
- セキュリティソフトウェアの最新状態の維持:ファイアウォールやセキュリティソフトウェアは、悪意のあるサイトへのアクセスを防ぐために重要ですが、設定ミスで正常なサイトをブロックすることもあります。
常に最新の状態に保ち、不審な動作がないか監視しましょう。
ERR_NAME_NOT_RESOLVEDエラーは、多くの場合、基本的なネットワーク設定やDNSの問題によって発生します。
この記事で紹介した手順を一つずつ試すことで、きっと解決できるはずです。焦らず、段階的にトラブルシューティングを進めてみてください。