iPhoneの復元やアップデート中に「エラー4013」が表示されてお困りですね。ご安心ください、このエラーは多くの場合、ご自身で対処できる接続やソフトウェアの問題が原因です。iPhoneが文鎮化してしまうような深刻な事態になることは稀ですので、落ち着いて以下の手順を試していきましょう。
ここでは、Windowsユーザー向けに、この問題を迅速に解決するための具体的な手順と、再発防止策をわかりやすく解説します。
目次
1. iPhone: Error 4013 とは?(概要と緊急度)
iPhoneの「エラー4013」は、通常、iTunesやFinderを使ってiPhoneを復元またはアップデートしようとした際に発生する通信エラーです。これは、iPhoneとPC間の接続が不安定であったり、PC上のセキュリティソフトウェアが通信を妨害していたり、iTunes(またはFinder)のバージョンが古いなどの理由で発生することがほとんどです。
このエラーが表示されても、すぐにiPhoneが完全に故障したと心配する必要はありません。多くの場合、ケーブルやソフトウェアの設定を見直すことで解決可能です。緊急度は中程度ですが、データの復元やアップデートが完了できない状態ですので、早めの対処をおすすめします。
2. 【最速】今すぐ試すべき解決策
まずは、最も効果が高く、かつ簡単に試せる解決策からご紹介します。上から順に試してみてください。
解決策1:USBケーブルとPCの接続を徹底的に確認する(最も簡単な方法)
エラー4013の最も一般的な原因は、USBケーブルやポートの接続不良です。ここを徹底的に見直すことで、多くの場合問題が解決します。
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別のUSBケーブルを試す:
現在使用しているケーブルが断線していたり、品質が低かったりする可能性があります。可能であれば、iPhoneに付属していた純正品や、MFi認証(Made For iPhone/iPad/iPod)の高品質なケーブルを試してください。
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別のUSBポートを試す:
PCのUSBポートが故障している、または電源供給が不安定な場合があります。特にデスクトップPCの場合、PCの背面にあるUSBポート(マザーボードに直結されているため安定しやすい)に接続してみてください。USBハブを介さず、PC本体に直接接続することが重要です。
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PCとiPhoneを再起動する:
一時的なシステムやソフトウェアの不具合は、再起動で解消されることがよくあります。PCとiPhoneの両方を再起動してから、もう一度復元またはアップデートを試してください。
- iPhoneの強制再起動方法(機種によって異なります):
- iPhone 8以降: 音量アップボタンを押してすぐに放し、音量ダウンボタンを押してすぐに放します。次に、Appleロゴが表示されるまでサイドボタンを押し続けます。
- iPhone 7/7 Plus: 音量ダウンボタンとスリープ/スリープ解除ボタンを同時に、Appleロゴが表示されるまで押し続けます。
- iPhone 6s以前: スリープ/スリープ解除ボタンとホームボタンを同時に、Appleロゴが表示されるまで押し続けます。
- iPhoneの強制再起動方法(機種によって異なります):
解決策2:セキュリティソフトウェアを一時的に無効化する
ウイルス対策ソフトやファイアウォールが、iTunesとiPhone間の通信を誤ってブロックしている場合があります。復元作業中だけ一時的に無効化し、作業完了後に必ず有効に戻してください。
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Windows Defender ファイアウォールを無効にする:
Windowsの検索バーに「ファイアウォールとネットワーク保護」と入力し、検索結果から開きます。

アクティブなネットワーク(通常は「プライベートネットワーク」または「パブリックネットワーク」と表示されています)をクリックし、「Microsoft Defender ファイアウォール」を一時的に「オフ」に切り替えます。
作業が完了したら、必ず「オン」に戻してください。
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他社製セキュリティソフトを一時停止する:
お使いのセキュリティソフトウェア(Norton, Trend Micro, ESET, Avastなど)によって手順は異なりますが、通常はタスクバーにあるアイコンを右クリックし、「一時的に無効にする」や「保護を停止」などのオプションを選択できます。詳しい手順は、お使いのセキュリティソフトのマニュアルを確認してください。
こちらも作業が完了したら、必ず有効に戻してください。
もし、GUIでの操作が難しい場合や、セキュリティソフトウェアが深くシステムに統合されている場合、以下のようなPowerShellコマンドでWindows Defenderのファイアウォールを一時的に無効化することも可能ですが、セキュリティリスクを伴うため、十分な理解と自己責任のもとで慎重に行ってください。
# PowerShellを管理者として実行し、以下のコマンドを入力します。
# Windows Defender ファイアウォールを一時的に無効化する
# 注意:この操作はシステムを危険にさらす可能性があります。作業完了後は必ず有効に戻してください。
Set-NetFirewallProfile -Profile Domain,Public,Private -Enabled False
# iPhoneの復元作業が完了したら、以下のコマンドでファイアウォールを有効に戻す
# Set-NetFirewallProfile -Profile Domain,Public,Private -Enabled True
解決策3:iTunesを最新バージョンにアップデートする
古いバージョンのiTunesは、最新のiOSデバイスやiOSバージョンとの互換性の問題を引き起こすことがあります。
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Microsoft Store版iTunesの場合:
Microsoft Storeアプリを開き、「ライブラリ」からiTunesを選択し、アップデートがないか確認してください。または、検索バーで「iTunes」と検索し、アプリページで「更新」ボタンが表示されていないか確認します。
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AppleのウェブサイトからダウンロードしたiTunesの場合:
iTunesを起動し、メニューバーの「ヘルプ」から「アップデートを確認」を選択します。指示に従って最新バージョンにアップデートしてください。
解決策4:PCのApple Mobile Device USB Driverを再インストールする
iPhoneとPC間の通信に必要な「Apple Mobile Device USB Driver」に問題がある場合も、エラー4013が発生することがあります。
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デバイスマネージャーを開く:
Windowsのスタートボタンを右クリックし、「デバイスマネージャー」を選択します。または、Windowsの検索バーに「デバイスマネージャー」と入力して開きます。
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ドライバーを探してアンインストールする:
デバイスマネージャー内で「ユニバーサル シリアル バス デバイス」の項目を展開します。その中に「Apple Mobile Device USB Driver」という項目があれば、右クリックして「デバイスのアンインストール」を選択します。
「このデバイスのドライバーソフトウェアを削除します」というチェックボックスが表示された場合、チェックを入れずにアンインストールしてください。
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PCを再起動する:
PCを再起動した後、iPhoneを接続し直してiTunesを起動します。通常、ドライバーは自動的に再インストールされます。その後、もう一度復元またはアップデートを試してください。
3. iPhone: Error 4013 が発生する主要な原因(複数)
エラー4013は、複数の要因が絡み合って発生することがあります。主な原因を理解しておくことで、今後のトラブルシューティングにも役立ちます。
- USB接続の問題:
- ケーブルの品質不良、破損、断線。
- PCのUSBポートの故障や電源供給不足。
- USBハブを介した接続による不安定化。
- ソフトウェアの競合:
- ウイルス対策ソフトやファイアウォールがiTunesの通信をブロックしている。
- VPNソフトやネットワーク関連のユーティリティが干渉している。
- iTunes/Finderのバージョン問題:
- iTunesのバージョンが古く、最新のiOSデバイスやOSバージョンと互換性がない。
- Apple Mobile Device USB Driverの問題:
- iPhoneとPC間の通信を司るドライバーが破損している、または古い。
- ネットワーク接続の問題:
- 復元やアップデートに必要なファイルをダウンロードする際に、インターネット接続が不安定。
- ごく稀なケース:iPhone側のハードウェア問題:
- 非常に稀ですが、iPhone内部のストレージや基盤に物理的な問題がある場合にもこのエラーが発生することがあります。ただし、上記ソフトウェア的な解決策を試す前にこの判断を下すのは適切ではありません。
4. iTunes/Finderで恒久的に再発を防ぐには
エラー4013の再発を防ぎ、スムーズなiPhoneの運用を続けるために、以下の点に注意してください。
- iTunesを常に最新バージョンに保つ:
定期的にiTunesのアップデートを確認し、常に最新の状態を保つことで、互換性の問題を最小限に抑えられます。
- 高品質なUSBケーブルを使用する:
安価な互換ケーブルではなく、Apple純正品またはMFi認証(Made For iPhone/iPad/iPod)の信頼性の高いUSBケーブルを使用しましょう。断線しかかっているケーブルはすぐに交換してください。
- PCのUSBポートを適切に利用する:
可能な限り、PC本体(特にデスクトップPCの場合は背面ポート)に直接iPhoneを接続し、USBハブやキーボードのUSBポートなどは避けるのが賢明です。
- セキュリティソフトウェアの設定を見直す:
iTunesやApple関連のプロセス(Apple Mobile Device Supportなど)をセキュリティソフトウェアの信頼済みリストに追加することを検討してください。これにより、誤って通信がブロックされることを防げます。
- 安定したインターネット接続環境を確保する:
特にiPhoneの復元やOSアップデートの際には、安定したWi-Fiまたは有線LAN環境下で行うようにしましょう。
- 定期的なPCのメンテナンス:
Windows Updateを適用し、システムドライバーを最新の状態に保つことも重要です。また、PCに不要な常駐ソフトウェアが多いと、システムリソースを圧迫し、トラブルの原因となることがあります。
- iPhoneの定期的なバックアップ:
万が一の事態に備え、iCloudまたはiTunesで定期的にiPhoneのバックアップを取っておきましょう。これにより、エラーが発生してもデータを失うリスクを減らせます。
これらの対策を行うことで、エラー4013の発生リスクを大幅に減らし、安心してiPhoneを使用できる環境を維持できます。
